
転職や就職活動を進めるにあたって、まず最初にぶつかる壁が書類選考です。企業の採用担当者に自分をアピールするために必要な履歴書や職務経歴書の作成に、頭を悩ませる方も多いのではないでしょうか。どちらも重要な書類ですが、それぞれの役割や違いをきちんと理解しておくことで、より効果的に自分を売り込むことができます。
この記事では、履歴書と職務経歴書の違いを明確にし、どのように書き分けるべきかを解説していきます。最後までお読みいただくことで、採用担当者の目に留まる書類の作成ポイントを理解できるはずです。
履歴書と職務経歴書の基本的な役割を理解する

まずは、履歴書と職務経歴書が何のために作成されるのか、基本的な役割から確認していきましょう。
履歴書の役割を理解する
履歴書は、応募者の基本情報を客観的に伝えるための書類です。名前や住所、生年月日、学歴、職歴、資格などが主な記載項目です。フォーマットは定型化されており、文具店やコンビニエンスストアなどで簡単に購入できます。
履歴書は採用担当者に応募者の基本的なプロフィールを短時間で把握させることが目的です。特に転職活動においては、応募者がどのような人物かを初見で理解してもらうための入口として機能します。正確で丁寧な記載が求められるため、書き方に不安がある場合はガイドブックなどを参考にしましょう。
職務経歴書の役割を理解する
一方、職務経歴書は、応募者の具体的な職務経験やスキルを詳細にアピールするための書類です。これには、どのような業務を担当したか、どのような成果を上げたか、自身の強みや志望動機などをエピソードを交えて記載します。フォーマットは自由ですが、編年体形式や逆編年体形式、キャリア形式など、自分に合った書き方を選択することがポイントです。
採用担当者は職務経歴書をもとに、応募者が自社のニーズに合致しているかを判断します。したがって、具体的かつ分かりやすい文章で、自分の強みを的確に伝える必要があります。

記載項目の違いを理解する
履歴書と職務経歴書は、それぞれ異なる役割を果たすため、記載する内容や形式も異なります。どのように書き分けるべきかを詳しく見ていきましょう。
履歴書に記載する内容を確認する
履歴書には、以下の項目を記載します。
- 日付、名前、生年月日
- 住所、電話番号
- 免許・資格、学歴、職歴
- 志望動機、自己PR
- 趣味・特技、本人希望欄
これらは、応募者の基本情報を簡潔に伝えるために記載します。特に、入社・退社の事実を客観的に記載する職歴部分は、過去の職務経歴を簡単に示すにとどめます。

職務経歴書に記載する内容を確認する
職務経歴書には、より詳細な内容を記載します。具体的には以下の項目です。
- 日付、名前
- 免許・資格
- 職務経歴(業務内容、担当したプロジェクト、実績など)
- 志望動機(履歴書よりも具体的に)
- 自己PR(エピソードを交えて具体的に)
- 職務要約
- 転職・退職理由
- 生かせるスキル
職務経歴書では、過去の経験やスキルを明確にアピールするために、具体的な数字や成果を盛り込むことが重要です。採用担当者に「この人なら会社に貢献してくれそうだ」と思わせる内容を意識しましょう。
書き分けのポイントを押さえる
次に、履歴書と職務経歴書をどのように書き分ければよいかを具体的に見ていきます。
職歴を効果的に書き分ける
履歴書の職歴欄では、入社日や退職日を時系列で記載し、事実を客観的に伝えます。これに対し、職務経歴書では、実際に担当した業務内容や達成した成果を詳しく記述します。例えば、「年間売上を20%向上させた」といった具体的な実績を盛り込むことで、説得力が増します。
資格の記載方法を工夫する
資格は、履歴書では取得順に記載しますが、職務経歴書では、取得した資格が業務にどう生かせるかを示す工夫を加えます。職務経歴書内では、資格と他のスキル項目を区別し、より詳しく説明することで、自分の強みをアピールできます。
志望動機と自己PRを効果的に伝える
志望動機は、履歴書では簡潔にまとめますが、職務経歴書ではより詳細に記載します。企業が求める人物像に自分がどう合致しているかを具体的に述べることで、採用担当者に強い印象を与えることが可能です。また、自己PRは職務経歴書で具体的なエピソードを交えて記述することで、自分の魅力を最大限に伝えましょう。
作成時の注意点を守る
履歴書と職務経歴書を作成する際には、いくつかの注意点を意識する必要があります。
内容の整合性を保つ
履歴書と職務経歴書の記載内容に齟齬がないように注意しましょう。特に職歴や資格は、双方の書類で一致していることが重要です。記載内容に矛盾があると、信頼性を損なうことにつながります。
また、仕事内容やスキルの具体性を加えることで、採用担当者があなたの能力をより正確に評価しやすくなります。一貫性を保つとともに、必要に応じて具体的な数字や成果を記載すると説得力が高まります。
年号を統一する
年号は和暦と西暦を統一して記載するのが望ましいです。統一されていないと、採用担当者に混乱を与える可能性があります。どちらを使用するかは自由ですが、統一性を保つことが重要です。
加えて、使用する年号を選択した後は、すべての職歴や学歴で一貫して同じフォーマットを使用するようにしましょう。履歴書を見直す際には、統一が保たれているかどうかを再確認すると良いでしょう。
読みやすさと正確さを意識する
履歴書と職務経歴書は、採用担当者が短時間で理解できるように、簡潔かつわかりやすく作成することを心がけましょう。特に職務経歴書は内容が複雑になりがちなので、読みやすい構成や見出しの工夫をすると効果的です。
段落や箇条書きを適宜用いて情報を整理し、視覚的に負担を軽減させることも有効です。また、誤字脱字のないよう、複数回見直しを行うことで正確さを保つよう努めましょう。
まとめ
履歴書と職務経歴書は、どちらも応募者の情報を伝えるために欠かせない書類です。しかし、それぞれの役割や目的は異なるため、書き分けが必要です。
履歴書では基本的な情報を簡潔に記載し、職務経歴書では具体的な経験やスキルを詳細に伝えることで、採用担当者に強い印象を与えることができます。ポイントを押さえて作成すれば、書類選考を有利に進められるでしょう。